麻薬取締官の年収ってどれくらいなんだろう?
麻薬取締官の年収について気になっているの?
そうそう!
では、麻薬取締官の年収事情について解説するね!
麻薬取締官の平均年収は600~650万円
麻薬取締官の平均年収はいくらなのでしょうか。
2016年のデータでは、平均年齢43.6歳、平均経験年数22年の場合、平均給与月額は41万984円(地域手当、扶養手当等を含む)でした。
ここに期末手当4.2カ月分を加えた665万7941円が年収です。
おおよそ600-650万円が平均年収と思われます。
さらに、役職がつくと昇給し、年に一度ランクが上がることもあります。
危険が伴う職種のため、一般の行政職よりも調整手当や昇格、年収は優遇されることが多いようです。
2016年度の麻薬取締官の初任給は18万円
麻薬取締官は国家公務員で、行政職という職種で採用されます。
警察官のような公安職ではありません。
給与は「行政職俸給表(一)」に基づき支給されます。
「平成28年国家公務員給与等実態調査の結果」によると、大学卒・経験年数1年未満の平均給与月額は18万3701円となっており、これが初任給の目安になります。
1年で220万4412円でした。
これに、期末手当(ボーナス)のほか手当が加わった額が年収です。
麻薬取締官の諸手当について解説
麻薬取締官に支給される諸手当について紹介します。
麻薬取締官などの、国家公務員行政職には、扶養・住宅・通勤・地域・超過勤務手当と、夏冬の年2回、期末手当と勤勉手当(ボーナス)が支給されます。
危険を伴う職種であり民間企業の同年代の年収よりは高めに設定されています。
麻薬取締官の仕事内容について解説
麻薬取締官は実際にどのような仕事をしているのでしょうか。
詳しく見てみましょう。
麻薬犯罪を取り締まる専門的な職業
麻薬取締官は、厚生労働大臣の指揮監督を受けて、薬物関連5法及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(指定薬物に係る部分に限る。)に違反する罪、刑法のあへん煙に関する罪の他、麻薬、あへん若しくは覚醒剤の中毒により犯された罪について、刑事訴訟法に基づく特別司法警察員としての職務を行っています。(麻薬及び向精神薬取締法第54条第5項)
また、都道府県警察、税関、海上保安庁等の関係機関と協力して、国外から密輸される薬物の押収に努めるとともに、『麻薬特例法』を適用した薬物犯罪収益の没収や、泳がせ捜査による犯罪組織の首謀者の逮捕などを図っています。
更に、麻薬取締官の専門性を活かして、医療関係者による薬物の不正流出・使用事犯やインターネットを利用した広域犯罪についても積極的に捜査を実施しています。
薬物に手を出さないための啓発活動や、薬物依存者に対して薬物依存からの回復を支援するプログラムも実施しています。
麻薬取締部は、捜査・総務・鑑定部門と分かれています。
- 薬物関係法
- 麻薬及び向精神薬取締法
- あへん法
- 大麻取締法
- 覚醒剤取締法
- 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(麻薬特例法)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
※司法警察職員は司法警察員と司法巡査に分けられます。
警察官は全員司法警察職員で、麻薬取締官は特別な場合の司法警察員です。
司法巡査が持つ捜査に関する権限を司法警察員はすべて持ち、麻薬取締官は薬物犯罪に関する捜査権限があります。
(アトム法律事務所 https://atombengo.com/taihobengo/cont1-18)
(厚生労働省 地方厚生局 麻薬取締部 https://www.ncd.mhlw.go.jp/shimei.html)
(厚労省麻薬取締部パンフレット https://www.ncd.mhlw.go.jp/report/pdf/leeflet.pdf)
麻薬取締官の適性
麻薬取締官は薬物犯罪を取り締まる仕事なので、正義感や責任感を持っている人が向いています。
犯罪と向き合うには、犯罪は許さず人は許す倫理観、明鏡止水で先入観のない心が必要です。
場合によっては、拳銃なども所持する大変過酷で命に係わる捜査を行うこともあり、社会的使命を持って仕事を遂行できる人が望ましいでしょう。
捜査は年単位で思うように進まないこともあります。
そこで諦めず辛抱強く捜査する忍耐力が必要です。
近年、どんどん新しい危険ドラッグが登場してきているため、薬学や法律に関する最新情報を常に勉強する姿勢も求められます。
さらに薬物犯罪は海外からの密輸入が増えてきているそうです。
よって捜査は外国人とコミュニケーションをとる必要があるので語学力が必要です。
捜査は一人で行うものではなくチームワークです。
一人では限界があってもチームを組むと難なく出来ることがたくさんあります。
特に捜査は簡単ではなく、完成されたチームワークが要求されます。
ホームページでは求める人材として、
- 薬物犯罪を見過ごさない、正義感をもった人材
→平和な社会を維持するために、薬物犯罪に対して正義感をもって仕事を行える人が必要です。 - 困難に負けない、粘り強さをもった人材
→捜索、取り調べや長時間の張り込みなど、粘り強い忍耐力を必要とする業務が多くあります。 - 法の執行者としての高い倫理観を兼ね備えた人材
→麻薬取締官として業務を遂行するためには、平素から高い倫理感を保持する必要があります。 - チームワークを重要視する、協調性をもった人材
→業務は1人でなくチームで行うことが多く、また人と接する仕事ですので、協調性やコミュニケーション能力が必要です。
があげられています。
(これから麻薬取締官を志すみなさまへ 厚労省 麻薬取締部ウエブサイト https://www.ncd.mhlw.go.jp/report/pdf/leeflet2.pdf)
麻薬取締官の仕事はスケジュールが不規則になる場合も
麻薬取締官は国家公務員です。
1日の勤務時間は7時間45分・土日祝日は休みというのが基本ではありますが、捜査の状況によりこの限りにはならないことも多々あるでしょう。
大きな動きがあれば、夜中や土日祝日でも捜査のために業務を行う必要も出てきます。
また、逮捕直前には最後の追い込みで泊まり込みをして捜査を行うこともあるので、大変不規則なスケジュールの中で仕事をしなければならないこともあるでしょう。
もし休日出勤をして業務を行った場合、その分は平日に振替休日をとることが可能です。
その他、有給休暇を取得することが可能ですし、状況の許す限り特別休暇の取得もできます。
当然、一般の仕事と比較すると、先ほども話した通り捜査の状況で仕事は不規則になりやすくなります。
薬物犯罪は待ってくれません。
(厚労省麻薬取締部パンフレット https://www.ncd.mhlw.go.jp/report/pdf/leeflet.pdf)
麻薬取締官になる方法
ここでは麻薬取締官になる方法について解説します。
麻薬取締官になるために必要な学歴や資格
2022年国家公務員一般職試験の流れはおおまかに、
受験申込
↓
第一次試験
↓
官庁訪問
↓
第二次試験
↓
最終合格発表
↓
採用内定→採用
という流れです。
(人事院 https://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo/ippan/saiyo_ippan02.html#G1-1)
麻薬取締官令和4年度官庁訪問の案内は、
- 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)「行政」又は「デジタル・電気・電子」の第1次試験の合格者(ただし、最終合格を採用の条件とする。)
- 麻薬取締官として職務執行に支障のない健康状態である者
2022年国家公務員採用一般職試験の条件は、
- 1992(平成4)年4月2日~2001(平成13)年4月1日生まれの者
- 2001(平成13)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1) 大学を卒業した者及び2023(令和5)年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(2) 短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2023(令和5)年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
また、麻薬取締官(薬学系)の選考試験(令和5年度採用)について
受験資格
- 1992(平成4)年4月2日以降の生まれの者
- 薬剤師、薬剤師国家試験合格者又は薬剤師国家試験合格見込みの者
ただし、薬剤師免許の取得が採用の条件となります。
- 麻薬取締官として職務執行に支障のない健康状態である者
※次のいずれかに該当する者は受験できません。
- 日本国籍を有しない者
- 国家公務員法第 38 条の規定により国家公務員となることができない者
- 平成 11 年改正前の民法の規定による準禁治産者の宣告を受けている者(心神耗弱 を原因とするもの以外)
となっています。
年齢制限と、国家公務員採用一般試験(大卒程度)に受かるか、薬剤師免許習得が条件になっています。詳しくは最新のホームページを確認してください。
※国家公務員法38条
- 禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
- 懲戒免職の処分を受け,当該処分の日から2年を経過しない者
- 日本国憲法施行の日以後において,日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し,又はこれに加入した者
(国家公務員法38条について 裁判所
https://www.courts.go.jp/saiyo/siken/gaiyou/38_kitei/index.html)
大学の学部は薬学部か法学部
麻薬取締官には、薬学や法学などの専門知識が必要とされます。
そのため、法学部や薬学部を出ているとスムーズに法解釈の理解や、薬物に関する知識を使えると思います。
よって、強いこだわりが無ければ大学の学部は法学部か薬学部を卒業するのが良いと考えられます。
特に6年制薬学部では別に試験がありますが、薬剤師免許習得でも麻薬取締官の採用試験を受けられます。
以前は麻薬取締官の資格条件の一つに法学士か薬学士という文が法令にあった気がしますが今は見当たりません。
薬学部出身でなくても麻薬取締官になれる?
結論から言うと、なることができます。
麻薬取締部の採用試験に応募資格があるのは、
国家公務員試験一般職採用試験(大卒程度試験)の「行政」又は「電気・電子・情報」の第一次試験の合格者と書かれています。
(職業情報提供サイト 厚労省 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/142)
(厚労省 麻薬取締部採用Q&A https://www.ncd.mhlw.go.jp/qanda.html)
麻薬取締員と麻薬取締官の違い
麻薬及び向精神薬取締法(麻向法)第54条には、
- 厚生労働省に麻薬取締官を置き、麻薬取締官は、厚生労働省の職員のうちから、厚生労働大臣が命ずる。
- 都道府県知事は、都道府県の職員のうちから、その者の主たる勤務地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議して麻薬取締員を命ずるものとする。
と書かれており、麻薬取締官は国家公務員、麻薬取締員は地方公務員です。
また同条には
- 麻薬取締官及び麻薬取締員は、司法警察員として職務を行なうときは、小型武器を携帯することができる。
- 麻薬取締官及び麻薬取締員の前項の武器の使用については、警察官職務執行法第7条の規定を準用する。
と書かれており、必要な時は、合理的な限度の武器使用が可能です。
(警察官職務執行法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000136)
さらに麻向法第57条、麻薬取締員は、前条に規定する場合のほか、捜査のため必要がある場合において、厚生労働大臣の許可を受けたときは、当該都道府県の区域外においても、その職務を行うことができる。
同法第58条、麻薬取締官及び麻薬取締員は、麻薬に関する犯罪の捜査にあたり、厚生労働大臣の許可を受けて、この法律の規定にかかわらず、何人からも麻薬を譲り受けることができる。
と書かれており、麻薬取締員も必要に応じて都道府県を出て職務を行うことができ、大臣の許可を受け捜査に必要な麻薬を譲り受けることが可能です。
(麻薬及び向精神薬取締法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=328AC0000000014)
麻薬取締員の求人の見つけ方
2022年の麻薬取締官の定員は296人です。(麻向法令9条)
麻薬取締官は例年全国で15名ほどしか採用がないため、かなり狭き門です。
ただし、最近は危険ドラッグの増加からか職員の増員があり30名ほど採用された年もあったそうです。
麻薬取締官は欠員が出た場合などのみ募集されるため、求人情報がいつ掲載されるかはわかりません。
大学在学生は就職サポートセンターや麻薬取締官を輩出したことのある研究室の先生に確認したり、定期的にホームページを欠かさずチェックする習慣を身につけましょう。
(麻薬及び向精神薬取締法施行令9条 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=328CO0000000057_20210501_503CO0000000148)
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麻薬取締官の年収まとめ
- 麻薬取締官の平均年収は600~650万円
- 2016年度の麻薬取締官の初任給は18万円
2016年の麻薬取締官の年収は平均年齢43.6歳、平均経験年数22年の場合600-650万円です。
同年の初任給は18万円でした。
麻薬取締官の給料は、行政職俸給表(一)に基づいて支給されます。
行政職は警察官などの公安職と異なり10%程度年収が低いとされるそうです。
ただし手当などの加算で同年代の事務職と比べると若干高い傾向があるようです。
麻薬取締官に求める人材に書かれている通り、正義感、粘り強さ、高い倫理観、協調性をもち、薬物乱用を強く阻止したい人は麻薬取締官と言う職業を視野に入れても良いのではないでしょうか。
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