薬剤師の求人で調剤薬局ってたくさんあるけど、年収の相場ってどのくらいなのかな?
調剤薬局の求人はたくさんあり、どのくらいの年収が相場なのかは少しわかりにくいですよね。
本記事では、調剤薬局で働く薬剤師の年収について解説しています。
調剤薬局で働く薬剤師の年収について
調剤薬局は薬剤師の職場の中でもメジャーな職場であり、最も多くの薬剤師が働いている職場です。
店舗数自体も非常に多いため、職場が探しやすいというメリットもあります。
しかし店舗数や求人数が多すぎて、相場がどれくらいなのかは意外とわかりにくいものです。
調剤薬局の年収事情について、細かい部分まで見ていきます。
年代別
調剤薬局で働く薬剤師の年収ですが、まずは年代別に解説します。
転職サイトの情報からわかるデータによると、調剤薬局で働く薬剤師・年代別の平均年収は以下のようになっています。
25~29歳 | 420~480万円 |
30~34歳 | 460~520万円 |
35~39歳 | 520~580万円 |
40~44歳 | 480~600万円 |
45~49歳 | 550~740万円 |
50歳以上 | 570~750万円 |
データから分かる通り、調剤薬局の年収は年代と共に順調に上がっていく傾向があります。
年功序列の側面が強いと言うことが読み取れます。
男女別
調剤薬局で働く薬剤師・男女別の平均年収は以下のようになっています。
男性 | 583.6万円 |
女性 | 448.7万円 |
年代別のデータで紹介した通りですが、調剤薬局の年収は年功序列の側面が色濃く反映されます。
それはつまりキャリアの長さに比例して年収が上がっていく傾向があるということなので、産休や育休を経て一時的にキャリアから離脱することが多い女性の平均年収は男性よりも低くなる傾向があります。
店舗数別
店舗数とは単純に考えれば企業の規模感を表す指標なので、企業の規模の違いによる平均年収には差があると考えている方も多いのではないでしょうか。
実際の調剤薬局で働く薬剤師・店舗数別の平均年収は以下のようになっています。
店舗数 | 薬剤師 | 管理薬剤師 |
1店舗 | 390.9万円 | 789.3万円 |
2~5店舗 | 428.5万円 | 753.3万円 |
6~19店舗 | 393.0万円 | 649.4万円 |
20店舗以上 | 419.7万円 | 565.6万円 |
全体 | 415.8万円 | 674.7万円 |
役職のついていない一般薬剤師は店舗数が多いほど給料が高いわけではないということがわかります。
一般的な感覚で言えば中小企業よりも大企業の方が平均年収が高いような気がしますが、調剤薬局においてはそうではないことが読み取れます。
平均データに多少の差はありますが、店舗数の違いによる特別な傾向はないと言えるでしょう。
特徴的なのは管理薬剤師の方です。
管理薬剤師の場合はむしろ店舗数が多い大規模な調剤薬局であるほど、平均年収が下がる傾向があります。
一般的なイメージとは逆であることが読み取れます。
店舗数が多いほど管理薬剤師の年収が下がる理由として、考えられることは2つあります。
1つ目は、小規模な薬局であるほど管理薬剤師の希少性が高まるため、数少ない人材を好待遇で雇用しようとする傾向があること。
2つ目は、大規模な薬局であるほど、大量の薬剤・大量の人員を用意する必要があるため、薬の在庫や労働力にロスが生じやすくなり、結果として利益率が低くなりやすいこと。
以上2つの理由から、管理薬剤師のような希少な実力を持った人材の場合は、小規模な薬局の方が年収が高くなりやすい傾向があります。
調剤薬局とその他の職場の比較
薬剤師の職場による平均年収の違いは以下のようになっています。
調剤薬局の薬剤師 | 474.2万円 |
調剤薬局の管理薬剤師 | 754.4万円 |
一般病院 | 420~500万円 |
ドラッグストア | 450~530万円 |
製薬会社 | 510~650万円 |
データによって細かい額には違いがありますが、大まかに病院→調剤薬局→ドラッグストア→製薬会社と順に平均年収が高くなっています。
企業や役職によってはドラッグストアで700〜800万円程度、製薬会社だと1000万円を超える様なところも多くあります。
調剤薬局や病院でそれほどの高水準の年収を得ることは非常に難しいので、調剤薬局よりもドラッグストアや製薬会社へ転職する方が効率よく高年収を狙えます。
ただ注意点として、年収が高い分ドラッグストアや製薬会社での薬剤師の仕事は病院や調剤薬局とは異なります。
特に製薬会社ではその特徴が非常に顕著で、一般的な薬剤師の業務である「調剤」を行うことはほとんどなく、薬品の研究や開発・営業や情報提供のようなより専門的な仕事をすることになります。
大手調剤薬局の平均年収
薬キャリのデータによると、大手調剤薬局の平均年収は以下のようになっています。
順位 | 企業名 | 平均年収 |
1位 | クオール株式会社 | 718万円 |
2位 | 株式会社アインホールディングス | 655万円 |
3位 | 株式会社スズケン | 609万円 |
4位 | 東邦ホールディングス株式会社 | 588万円 |
5位 | 株式会社メディカル一光 | 556万円 |
6位 | 日本調剤株式会社 | 537万円 |
7位 | 株式会社トーカイ | 531万円 |
年収ランキングと売上ランキングはある程度共通しているため、ここに挙げられている企業は売上ランキングでも上位に来る企業となります。
一点注意して欲しいのは、このデータの元となっているのは「企業自らが外部に公開している社員の平均年収」であるので、必ずしも薬剤師に限定した平均年収ではないということです。
年収が高い調剤薬局薬剤師の特徴
年収だけを求めるのであれば、製薬会社やドラッグストアといった平均年収が高い職場に転職するのが最も効率的ですが、あくまで調剤薬局で働きたいという場合はどのような方法で年収を上げることができるのか考えていきます。
下記の特徴がある薬剤師は、調剤薬局でも高い年収を維持しています。
管理薬剤師を経験している
管理薬剤師の経験があると調剤薬局では非常に重宝されます。
店舗数別の平均年収でも見たように、特に中小規模の調剤薬局においてはこの傾向が強く、管理薬剤師として働くことができれば一般の薬剤師の倍近い年収を得られる場合もあります。
転職して管理薬剤師を目指す場合も、前職で管理薬剤師の経験がある方が断然有利です。
まずは今の職場で管理薬剤師を目指すところから始めると、効果的に年収を上げることができるでしょう。
管理薬剤師になり今の職場のまま年収が満足するまで上がればそのまま働き続ければ良いですし、満足に年収が上がらなかった場合は転職すれば、その経験を評価されて好条件での転職を実現しやすくなります。
認定薬剤師の資格がある
認定薬剤師や更にその上の専門薬剤師の資格を有していると、調剤薬局において評価されます。
どちらも「最新の技術や知識を有している」と団体から認められた薬剤師が得ることができる資格で、定められた単位数の研修の受講や、団体が開催する試験に合格する必要があります。
取得に大きな手間が掛かる分評価は大きく、希少な人材として高く評価される資格です。
簡単に取得できるものではありませんが、年収アップの為に目指してみるのはおすすめです。
ただ資格なら何でも良いわけではなく、その職場に合った・必要とされる分野の資格を保持している必要があります。
臨床での需要と、自分の薬剤師としての目標を考えて、適切な資格を目指すようにしましょう。
在宅薬剤師を経験している
在宅薬剤師としての経験も評価対象となります。
近年のコロナウイルスの流行等もあり、病院や薬局まで患者自らに来て貰う従来型の医療ではなく、患者の自宅や福祉施設まで医者や薬剤師が訪問する在宅型の医療が増えつつあります。
しかし在宅型の医療では医療機関側も準備することがたくさんあるため、取り入れるのは簡単ではありません。
そのような背景があるので、在宅型の医療を経験している人材は非常に貴重であり、医療機関が在宅型医療を取り入れるきっかけにもなり得る人材なのです。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力も、調剤薬局で働く際に武器になります。
調剤業務は平たく言えば「処方箋通りに薬を提供する」という仕事ですが、単にそれだけならこれからAIがその機能を担うことになるのは容易に想像できます。
機械の方がスピードも速いですし、ミスを起こす危険性は人間よりも圧倒的に低いです。
そう考えると、これからの時代はコミュニケーション能力に秀でた人材を確保することが、調剤薬局が差別化するための重要な要素になります。
単に処方箋通りに薬を渡すだけでなく、医者ではない薬剤師としての立場から患者の不安に寄り添い、適切なアドバイスを提供することができる、そういった能力が今まで以上に求められるようになります。
患者さんが処方箋をどこの調剤薬局に持って行くか決める際「あの人がいるから」と選ぶ理由になることができるような人材は、調剤薬局にとって喉から手が出るほどに魅力的な人材なのです。
調剤薬局の仕事の魅力
調剤薬局は最も近い距離で患者さんと関わることができる職場です。
直接患者さんと会話して話を聞き出したり、服薬についてのアドバイスをしたり、自分次第で信頼関係を深める事が可能です。
そういった部分に魅力を感じる方は、調剤薬局で働くことが向いています。
他の職場では裏方に回りがちな薬剤師ですが、調剤薬局ではそうではありません。
自分が磨いてきたスキルや知識を患者さんに提供することで、目の前の患者さんの感謝の声を聞くことができ、やりがいにも繋がります。
まとめ
調剤薬局は薬剤師のメジャーな職場であり、最も患者さんと身近に接することができる職場です。
給与水準は製薬会社やドラッグストアに劣りますが、様々なスキルを身につけることで高年収を狙うことも十分可能となっており、自分次第でキャリアアップを目指していくことが可能です。
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