【薬剤師向け】患者さんに会話はいらないと言われた時の対処法

悩み・疑問
薬剤師
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患者さんとの会話が苦手で、何をどう話せばいいのかわからないから接客的な業務が苦痛。

病院で話したのに同じことを聞くな!と怒る患者さんも少なくないし…。

ベテラン薬剤師
ベテラン薬剤師

調剤薬局などは患者さんと直接会話する機会も多いので、会話が苦手な人は困ってしまうことも多いですよね。

患者さんとの会話が上手くいかないときの対処法を紹介します。

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薬剤師との会話はいらないと態度に出す患者さんへの対処法

服薬指導で聞き取りを始めたら「医師にもう説明したから」「説明はいらないから早く薬を出して」と言われてしまった事はありませんか?
SNSでも「薬局でもう一度説明するなんて必要ない」「薬剤師と話すことなどない」と話題になることもあり、残念なことですがそう思う患者さんが一定数いることは事実です。

この記事で患者さんとの会話が上手くいかないときのモヤモヤを是非解消してくださいね。

無理に会話しようとしなくて良い

いきなり矛盾するようですが、患者さんに会話する意思がないのが明確なときは無理に会話しようとしないのも一つの方法です。
とはいえ患者さんの希望だからといって服薬指導をしないわけにはいかないので、全く会話をしないのではなく「必要最低限のやり取りのみにとどめる」ということです。

会話はいらないと言う患者さんは基本的に「急いでいるから早く薬を出して」と、スピードを求める方がほとんど。
薬剤師と会話をしたくないと思う理由は患者さんによって色々ですが、まずは患者さんの要望に応えることを第一に考え、手早く無駄のない対応を心がけましょう。

しかし薬剤師である以上、最低限の説明と確認は必要です。
全てを口頭で説明すると長くなる場合、指導せんや薬情などを利用して手短に説明を済ませるのがおすすめです。

ここで注意したいのが「手短に必要事項を説明する=機械的、事務的に対応する」では無いということです。
早く薬を出そうとして慌てるのもNGです。

必要以上に患者さんが話さずに済むよう、投薬前の薬歴チェックやお薬手帳の事前チェックは念入りに。
手短に済ませるからこそ、間違いのない業務と丁寧な対応をするように気を付けたいものです。

患者さんの役に立ちたいという気持ちを持って接する

非友好的な態度をとる患者さんに対しても「わたしはあなたの役に立ちたいと思っています」という姿勢で接する事はとても大切です。
そういった患者さんに内心辟易していたとしても口に出さなければ良いわけではなく、薬剤師の気持ちは口調や態度から患者さんに伝わってしまうものです。

いつもは薬剤師に用が無い患者さんにも、確認したいことがある日が来るかもしれません。
その時、患者さんはどんな薬剤師に相談したいと思うでしょうか?
患者さんが相談したいと思うのは「自分の事をわかってくれる」「必要な時に頼れる存在」である薬剤師です。
他にも薬剤師がいる中で「あの薬剤師に聞いてみよう」と患者さんに自分を選んでいただけるのはやりがいを感じるし、嬉しいですよね。

毎回多くのやりとりをする患者さんでなくても、丁寧な対応を続けることで徐々に信頼関係が構築されていきます。
「必要な時に頼れる存在」であるために、いつも業務を丁寧に行い笑顔と明るい対応を心がけましょう。

患者さんが薬剤師との会話を望まないときに過度なアプローチをするのは嫌がられがちです。
「必要な時はいつでも声をかけてくださいね」とさりげなく一言添えるのもおすすめです。

会話が苦手な薬剤師が患者さんの本音を引き出すコツ

患者さんと全然コミュニケーションが取れないわけではないけれど、会話が苦手だから必要最低限のやりとりだけになってしまう…。

服薬指導だけなら何を話せばいいのか決まっているからいいけれど、ヒアリングが苦手。

そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
会話を苦手とする薬剤師のための「患者さんとの会話で本音を引き出すコツ」を紹介します。

患者さんに座ってもらって話を聞く

患者さんの心に秘めた本音を引き出すには、患者さんに座ってもらって話を聞くのが重要です。

立っている時と座っている時、どちらが本音を漏らしやすいと思いますか?
答えは「座っている時」です。人は座っている時の方が、緊張がゆるむためか本音を話しやすいそうです。
投薬カウンターの風景を思い浮かべると納得できるのではないでしょうか。座り投薬の方がくつろいで話をしやすいですね。

患者さんから話を色々と聞いてみようとチャレンジする場合、職場に座り投薬の投薬台があれば、座り投薬のブースで患者さんを呼んでみるとよいでしょう。

薬剤師側から積極的に質問する【質問内容は具体的に】

薬剤師側から積極的に質問するのも良い方法です。
薬剤師から具体的に質問する事で、患者さんが「なんとなく感じてはいるけれど話すほどではない」と思っていた話を聞けることがあります。

例:眠気が出やすい抗アレルギー剤の副作用を聞き取りたいとき

患者さんへの質問はふわっとした内容ではなく、できるだけ具体的にしましょう。

薬剤師
薬剤師

副作用で何か気になることはありますか?

薬剤師
薬剤師

朝スッキリ起きられなかったり、運転中に眠気が気になる等はありませんか?

患者さんが話をしている時は、必要に応じて患者さんの言葉を補足したり、質問するのがよいでしょう。
患者さんの思考が深まり、より踏み込んだ服薬指導が可能になります。

患者さんとのコミュニケーションを深めるには、患者さんの事を薬剤師が理解している事と、薬剤師が患者さんに信頼されているかが重要です。
質問を具体的にすることで、患者さんから具体的な話を引き出すことができる可能性が高まります。

患者さんの話を否定しない

患者さんの話の中で「それは違うのでは?」と思う事があっても、まずは否定せずに聞くようにしましょう。

患者さんの話を引き出すテクニックのひとつに、「ナラティブ(語る事)」があります。「患者さん自身が自由に自分の事を語る」という手法です。
医療現場ではコミュニケーションの方法としてこの「ナラティブ」が注目されています。

具体的にこのナラティブをどう取り入れていくか解説します。

例:女性ホルモン剤を処方されている患者さん

患者さん
患者さん

寒くなったからか、最近足がむくむことがある。

と患者さんが話してくれたとします。
薬剤師としては「女性ホルモン剤の重篤な副作用の静脈血栓塞栓症か?」と気になりますね。
しかしここで「いつ頃からですか?息苦しさはないですか?」と次々に質問してしまうのはNGです。

なぜなら、ナラティブの手法では話の主導権は患者さん側なのに、こちらの質問によって薬剤師側に主導権が移ってしまうからです。
この場合

薬剤師
薬剤師

最近急に寒くなりましたものね。

のように否定せず一旦受け止めて相槌をうち、患者さんの話をさえぎらずに続きを促しましょう。
話を整理する程度に発言はとどめ、答えを言ってしまうのは我慢します。

自分の話を聞いてもらえたと感じると、患者さんは薬剤師に心を開きやすくなります。
まずは患者さんの話をしっかりと聞いてから、こちらも指導を行いましょう。

薬剤師側から患者さんに質問する際は「知らないから教えて欲しい」というスタンスが重要

もうひとつ大事なことは「あなたの事を知らないから教えて欲しい」というスタンスで対話に臨むことです。
名前がついているテクニックではありませんが、このスタンスのあるかどうかで患者さんの感じ方は全然違ってきます。

例えばやり取りの中で薬剤師が質問をする時、質問の仕方や精神状態によって「薬剤師に問い詰められている」と患者さんが感じる事があります。
しかし薬剤師からの「あなたのことを知りたいから、私に教えて欲しい」というスタンスが伝われば、患者さんは問い詰められていると感じることは少ないでしょう。

例として、薬の日数が調整されている患者さんがいたとしましょう。過誤で薬の数が間違っている可能性はないと仮定します。

薬剤師に問い詰められていると感じる質問例

患者さん
患者さん

このA薬だけ余ってしまって、少なめに出してもらったんです。

薬剤師
薬剤師

A薬だけ飲み忘れてしまうのですか?

この聞き方だと患者さんは「なんで飲み忘れるんですか!」と自分が責められているように感じてしまう可能性があります。

「あなたの事を知らないから教えて欲しい」というスタンスの質問例

患者さん
患者さん

このA薬だけ余ってしまって、少なめに出してもらったんです。

薬剤師
薬剤師

なるほど。30日分で普段処方されていて、Aは30錠ほど残っているんですね。これは夜の分が残るんですか?

患者さん
患者さん

そうなんです。夜は外食が多いので飲み忘れることが多くて…。

このように患者さんの話を否定せずに一旦受け止め、伝えてくれた内容を深掘りし、もっと聞かせて欲しい、教えて欲しいという流れに持っていってみましょう。

「患者さんに対して正しい指導をする」ことが薬剤師の仕事ですが、患者さんとの会話が上手くいかないと感じているなら一度「あなたの事をもっと知り、一緒に考えていきたい」というスタンスで臨んでみてください。
より話を引き出すことができ、患者さんとの深い関係性を築くことができる可能性が高まります。

患者さんとの会話が続かなくて困っている薬剤師にアドバイス

とはいえ会話が苦手で患者さんとの会話が続かなくて困る…という方も少なくないかと思います。
患者さんは薬剤師との会話を楽しみに来ているわけではないので無理に盛り上げる必要はありませんが、「薬剤師との会話はいらない」という態度の患者さんが多いと心が折れてしまいますし、接客的な業務がある職場なら克服していきたいですよね。

会話が上手くいく方法をテクニック的な形でいくつか紹介させていただきましたが、ここからは主に心構えについてアドバイスさせていただきます。

まずは聞き上手になろう

1つ目のアドバイスは『聞く事』を重視し、聞き上手を目指すということです。
薬剤師は薬の指導をするのが仕事なので、いかに上手に話すかが重要だと思いがちです。しかしそれは違います。
「患者さんの話をじっくりと誠実に聞く」ことが患者さんとの信頼関係を築き、コミュニケーションを取るためのカギだからです。

薬が処方されているということは何かしら病気の治療中であり、患者さんの心は傷ついた状態にあることも多いです。
悩みや苦しみを聞いてもらうだけでも治療に対して前向きになれたり、楽になることも多いもの。患者さんの話を聞くことも大切な薬剤師の仕事です。

とはいえ聞き上手になるために具体的に何をすればいいかわからない…という場合は、下記からはじめてみてはいかがでしょうか。

聞き上手になるためにまずやってみること

  • 相手の目を見て話を聞く
  • 相手を否定せず共感し、相槌をいれながら聞く
  • オウム返しを利用する
  • 相手の話のテンションに合わせる

患者さんとの会話について悩む薬剤師さんは「自分がうまく喋る事」よりも「患者さんの話をいかに上手く聞くか」に注意を向けてみましょう。
それだけで、患者さんと会話がうまく続くことが増えてきますよ。

相手に興味を持つことが重要

2つ目のアドバイスは相手に興味を持ってみることです。
人は「私はあなたに興味がありますよ」という意思表示をしている相手に対して好感を感じ、色々話す傾向があるからです。
この話は、服薬指導時よりもプライベートでの会話を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。

相手が自分の話を楽しそうに興味深く聞いてくれたら、ついつい色々話してしまいませんか?
初対面の人とプライベートで話す時、自分の話に相手がうまく乗ってきてくれたら会話が弾みますね。
話すつもりで無かったことまで話してしまうこともあるのではないでしょうか。

これを患者さんと薬剤師の関係に当てはめてみると、患者さんに色々と話してもらう為には話の聞き手となる薬剤師が「私はあなたに興味があります」というスタンスで臨むことが重要だということが分かります。

まとめ

  • 薬剤師との会話はいらないと態度に出す患者さんとは無理に会話しようとせず手短に済ませる。
  • 患者さんからもっと詳しい話を引き出したいときは薬剤師から積極的に質問し、質問内容は具体的にする。
  • 患者さんの話を否定せず、一旦受け止めることで「ちゃんと話を聞いてくれる」と信頼してもらえる可能性が高まる。

患者さんと薬剤師の関係も、人と人とのコミュニケーションのひとつです。
薬剤師は対物業務よりも対人業務がメインになってきています。薬剤師としての自分の価値を高めるためにも、患者さんとのコミュニケーションが上手くいく方法は知っていて損はありません。

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