育児のために時短勤務したいけど、時短勤務中の年収はどうなるのかな?
時短勤務したことで職場での人間関係が悪くなるのも心配で…。
時短勤務は育児中の方にとって便利な制度ですが、年収や職場での人間関係などの問題もあるよね。
本記事ではそんな悩みを解決するよ。
時短勤務の薬剤師の給料
時短勤務制度を利用した薬剤師の給料は、時短勤務中は何時間の勤務をするかで決まります。
時短勤務は1日の勤務時間を原則6時間に短縮する制度なので、9時〜16時や10時〜17時(いずれも休憩1時間含む)で働く方が多いと言われています。
短時間勤務制度(以下、時短勤務)は育児・介護休業法により定められた制度です。
引用元:jinjer
従業員から申し出があれば、1日の所定労働時間を6時間とすることが法律で決められています。
今まで8時間のフルタイムで働いていた薬剤師が勤務時間を6時間に短縮した場合、給与の基本給は単純に8分の6(つまり4分の3)に減額します。
フルタイムに比べて給与は25%少なくなりますが、手取りはそれ以上に減る可能性があります。
時短勤務中は原則として残業が発生しないためです。
また、時短勤務制度では基本給だけではなく賞与の減額も認められるので、時短勤務の薬剤師の給料は年収でみるとより大きく減少します。
時短勤務の薬剤師の様々な働き方
時短勤務を希望する場合、働き方は正社員だけではありません。
パートや派遣社員など様々な働き方を選べます。
正社員
正社員の場合はまず職場に時短勤務の希望を伝え、労働時間は上司や担当の方と相談して調整します。
時短勤務は1日の勤務時間を原則6時間に短縮できる制度ですが、特定の1日だけを7時間にするなど柔軟な対応もできます。
時短勤務になると給与や賞与は減りますが、正社員であることは変わりません。
一度正社員をやめてしまうと、子育ての時期が終わったからとすぐに正社員に復帰するのは難しいです。
しかし時短勤務であれば、子育てを終えてからフルタイム勤務の正社員に戻るのことができます。
薬剤師の人数の増加やコロナ禍の影響による薬局の経営困難で、近年は薬剤師の求人が減ってきていることもあり、安定や給料重視なら正社員を続けることをおすすめします。
また、将来出産の予定があり時短勤務を希望する方は早めに時短勤務に理解のある職場に転職することを強くおすすめします。
時短勤務制度は転職してすぐは利用できないからです。
パート
時短で正社員として働くためには以下のような条件があります。
簡潔に言えば、3歳に満たない子を持つフルタイムで働く方が時短勤務制度の対象です。
当てはまらない場合は正社員での時短勤務はできないので、パートとして時短で勤務するのも一つの方法です。
パートはシフト制の企業も多いので、自身や家庭の都合に合わせて柔軟な働き方ができるメリットがあります。
週4日だけ、1日5時間だけ、など少ない日数や短時間で働くことも可能です。
薬剤師の時給はおおむね2,000円程度に設定されています。
働き方を見るとパートと派遣社員は似ていますが、派遣社員は契約期間が過ぎると同じ場所では働けません。
ずっと同じ職場で働き続けないことがメリットになる方もいますが「同じ職場で安定してかつ継続的に働きたい」という方はパートで時短勤務をするのがおすすめです。
派遣社員
「時短で働きたい。でも収入が減るのは不安」という方におすすめなのが派遣社員として働く方法です。
パートで働く薬剤師と派遣社員の薬剤師の最大の違いは、給与であるといわれています。
薬剤師の派遣社員はパートに比べると時給が高い傾向にあり、時給3,000円前後の求人は少なくありません。
中には時給4,000円以上の求人も見つかることがあります。
働く時間や出勤する日数は派遣される企業との調整になりますが、派遣会社に「フルタイムではなく時短で働きたい」旨を伝えることで時短勤務することが可能です。
また派遣社員は契約期間が決められているため、契約が終了すればその職場では継続して勤務をすることがありません。
一か所で長くは働かないため、わずらわしい人間関係にしばられないメリットもあります。
時短勤務制度は転職直後には利用できない
時短勤務制度は転職直後には利用できません。
基本的には「入社後1年を経過していない労働者は時短勤務ができない」というルールがあります。
ほとんどの会社で時短勤務の利用者として対象にしているのは「入社して1年以上働いている方」なので注意しましょう。
転職直後だけどフルタイムをやめて時短勤務をしたいという場合、雇用形態をパートタイムや派遣社員に切り替える相談をするしかありません。
時短勤務している薬剤師のよくある悩み事
時短で勤務している薬剤師のよくある悩み事は主に2つです。
- 時短勤務なのに帰れないこと
- 時短勤務ではない薬剤師とぎくしゃくしてしまうこと
時短勤務の制度があっても職場の理解が得られないと利用しにくいですよね。
時短勤務制度を利用しているのに帰れない
時短勤務の制度を利用しているのに帰れないという声をまれに聞きます。
時短勤務で働く方の退社時間は15~17時頃が多いですが、夕方は仕事帰りの患者さんが来局するので薬局が混みやすいです。
混み合っていて帰りにくい雰囲気であったり、混雑により薬歴が書き終わらず帰れないこともあるようです。
時短勤務の制度では「従業員から申し出があった場合は、短時間の勤務制度で働く従業員には所定外労働(残業や早出)はさせないように」と明確に決められています。
大手の企業ではルールに従い時短勤務中の方には残業をさせないことがほとんどですが、中小企業や個人の薬局だと理解を得られないケースもあるようです。
時短勤務ではない薬剤師との人間関係
時短勤務ではない薬剤師との人間関係に悩む声も多いです。
時短勤務の人が早めに退社したことで残った仕事は、時短勤務をしていない人が代わりに片付けます。
残った仕事のフォローなどで時短ではない薬剤師の負担が増えるのは、不満に繋がることも事実です。
時短勤務は条件を満たせば誰もが利用できる制度ですが、制度への理解が浸透していない企業だと人間関係のトラブルは起きやすいです。
過去に時短勤務をしていた人がいるか、ほかに育児中の薬剤師がいるかなどの職場選びも重要です。
しかし、時短勤務における人間関係のトラブルは単に「時短勤務中の人のフォローで自分の負担が増えて不満」というだけで起こるものばかりではありません。
時短勤務をしている人のフォローをすること自体が不満というよりは、時短勤務中だから仕事が残って当たり前、他の人が自分をフォローして当たり前という姿勢でフォローをしてくれた人には何の感謝もないことが不満に繋がるのであり、トラブルの原因となります。
時短勤務中にフォローしてくれる人には感謝していることを伝える、自分の手が空いているときはフォローに回る等で人間関係のトラブルは防ぐことが可能です。
薬剤師が時短勤務制度を利用するメリット
デメリットもありますが、子育てをしながら働くママ薬剤師にとって時短勤務はとても便利な制度でメリットが多いのは事実です。
育児との両立が可能
時短勤務の一番のメリットは「仕事と育児の両立」が実現しやすいことです。
勤務時間が短いと毎日のスケジュールに余裕が生まれ、子供と向き合う時間も増やせます。
子供の成長はあっと言う間で、そばで成長を見守ることができる時間はかけがえのないものです。
また、子供は突然のケガや病気も多く定期的な通院が必要な場合もあります。
フルタイム勤務だと仕事を休まなければ通院が難しいですが、時短勤務で定時よりも前に退勤すれば、仕事が終わった後に病院を受診できます。
予防接種や乳幼児健診のたびに有給休暇を取得する必要もありません。
プライベートの時間を作れる
プライベートの時間をつくりやすいことも時短勤務のメリットの一つです。
時短勤務により心身のバランスがとれて心穏やかに生活できるようになったという方もいます。
まだ子供が小さいと退勤後は保育園の送迎や子供の食事、入浴や寝かしつけなど慌ただしく1日が終わります。
休日も子供との時間を過ごしたり平日にできなかった家事をこなすので精一杯で、自分のために時間を使うのは簡単ではありません。
時短勤務にしたからといって圧倒的に時間に余裕ができるわけではないですが、少しでも余裕があることは子供にとっても良い影響を与えます。
時短勤務できる求人の探し方
長年勤めた職場で時短勤務をするのではなく、時短勤務できる職場の求人に応募して転職したいといったこともあるでしょう。
結論から言うと、時短勤務できる求人はごくわずかです。
薬剤師の男女比は4:6で女性の方が多いので、午前中から午後5時くらいまでは人手が足りている職場が多いというのが主な理由です。
「子供の保育園から近い所でないと働けない」「送迎の時間があるので何時までしか働けない」という条件があると、自分一人で求人を探すのはさらに難しくなります。
時短勤務の求人を探す方法は下記4つの方法が代表的です。
- 転職エージェントに相談する
- ハローワークで探す
- 求人サイトや求人誌で探す
- 企業の採用情報を見る
\ セルワーク薬剤師の姉妹サイト ジョブドア薬剤師では時短勤務の求人も掲載しています /
時短勤務できる薬剤師求人を探すなら転職エージェントの利用がおすすめ
おすすめは転職エージェントの利用です。
非公開求人を見ることができたり、募集要項だけではわからない「時短勤務の制度が利用できる環境かどうか」をアドバイザーに確認できるのが主な理由です。
例えば、
- 時短勤務の前例がないため難色を示される
- 従業員の年齢層が高く古い価値観の人が多いため周りの理解が得られない
など、育児・介護休業法により定められた制度であっても実質的に利用できない環境もあります。
前例のない会社ではじめての時短勤務をするのはなかなかハードルが高いですよね。
独身の男性が多い職場も、周りの理解が得られず働きにくいと感じるかもしれません。
その点、転職エージェントに相談すれば従業員の男女比率や年齢層、育休取得や時短勤務の実績なども聞くことができます。
セルワーク薬剤師でも無料でアドバイザーへの相談を受け付けています。
非公開求人も多数取り扱っており、もし入社後に「聞いていたことと違う」と感じたことがあれば代わりに就職先に伝えたりとアフターフォローも行っております。
派遣やパートを希望する場合でも相談は可能なので、お気軽に相談してくださいね。
まとめ
時短勤務は年収が下がるデメリットはありますが、仕事と育児を両立しやすくなる便利な制度です。
時間にゆとりができて、ライフワークバランスが実現しやすくなります。
時短勤務制度は条件を満たせば誰でも利用する権利があるので、家庭の状況によって上手く制度を活用していきましょう。
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