薬剤師が薬局薬剤師を辞めたいと思う理由11選
薬局薬剤師として勤務する方の中には「辞めたい」と思っている方もいるかもしれません。
薬局薬剤師が辞めたいと思う理由は、ひとそれぞれですが、いくつかの傾向もあるようです。
どのような理由で辞めたいと思うのか、11のケースをご紹介します。
労働時間が長い
薬局薬剤師を辞めたいと思う理由のひとつに「労働時間が長い」ことがあげられます。
薬局は営業時間が決まっており、「今日は仕事が少ないから早く終わろう」ということは不可能です。
また、冬など感染症が流行る繁忙期には、患者様がいる限り営業を続けなければならない場合もあるかもしれません。
そのため、薬局薬剤師は労働時間が長くなりやすい傾向にあります。
残業が多い、労働時間が長いと感じる場合、精神的・肉体的な疲労が蓄積し、「辞めたい」という思いに至るケースは多いでしょう。
仕事内容に不満がある
次に考えられるのは単純に「仕事内容に不満がある」ことです。
調剤薬局の業務は、「調剤する・服薬指導する・薬歴を記載する」を基本としており、変化が少ない業務と言えるかもしれません。
この薬局業務を「単調」「飽きた」と思ってしまうと、仕事に対するモチベーションが上がりづらくなるでしょう。
より充実感の得られる仕事を求めて、辞めることを考えるかもしれませんね。
人間関係に悩みがある
さらに辞めたいと思う理由のひとつに、「人間関係の悩み」があります。
調剤薬局は基本的に狭い世界であり、その中での人間関係は非常に重要です。
薬剤師の業務においては、情報を共有する、調剤・監査してもらう、仕事を引き継いでもらうなど、様々な場面で他スタッフとコミュニケーションをとる必要があります。
そのため、人間関係に悩みがある場合、業務に支障が出ることもあるかもしれません。
人間関係のストレスは一人で解消することが難しく、辞めることを考えやすいと言えるでしょう。
研修や教育制度が整っていなかった
「研修・教育制度の不満」というのもやめたいと思う理由にもなり得ます。
研修・教育制度は日常の業務の上に成り立ちます。
日々の薬局業務で手一杯の薬局では、研修・教育という観点を持つことが難しいでしょう。
研修・教育制度が整っていない場合、新しい仕事・知識が得られず、薬剤師としての仕事の幅が広がらない場合もあります。
成長意欲の高い方は、研修・教育制度の充実した職場を希望するケースもあるでしょう。
業務上のミスを恐れてしまう
「業務上のミスを恐れてしまう」と、やめたいと思う人もいるでしょう。
薬剤師の仕事は患者の命に関わるものでもあるため、業務上のミスはあってはならないものであり、そのプレッシャーや緊張感を感じることは自然なことです。
しかし、人によってはそのプレッシャーや緊張感が強いストレスになることもあるかもしれません。
薬剤師であっても、調剤をしない仕事を選ぶこともできます。
業務上のミスに強い恐れがある場合は、仕事を変えるということも可能でしょう。
給与面で不満がある
「給与面での不満」はどのような仕事でも「やめたい」と思う理由のひとつです。
一般的には、薬剤師の給与は高いと言われますが、仕事の内容や業務量に対して、その給与を不満に思う場合もあるでしょう。
給与は生活に直結するため、給与面での不満がある場合には、仕事を辞めることや転職することを考えやすいです。
向いていないと感じてしまう
薬剤師は患者さんとコミュニケーションを取って、服薬指導を行うことも大きな仕事のひとつですが、初めての人と話をすることが苦手な人は「自分が薬剤師に不向きだと感じる」ケースがあります。
うまく服薬指導ができない時には「自分は薬剤師に向いていない」と思うこともあるかもしれません。
しかし、薬剤師は服薬指導をすることだけが仕事ではなく中には、調剤に専従する薬剤師もいます。
薬剤師は向いていない、辞めたいと思う場合には、仕事の仕方を変えてみる方法もあるでしょう。
薬剤師の業務にやりがいを感じない
「薬剤師の業務にやりがいを感じない」とやめたいと思う人もいます。
薬剤師にとっての仕事のやりがいとは何でしょうか。
患者さんに感謝されること、医師や他医療スタッフと連携が取れること、様々な知識・経験を得ること、ひとそれぞれ様々なことがあるでしょう。
「やりがい」は仕事を続ける上で必要なモチベーションです。
患者さんへの対応がストレスに感じる
辞めたいと思う理由の中には「患者さんへの対応がストレス」というケースもあります。
患者には、さまざまな人がいて、よく話をしてくれる方から話をしたがらない方、中にはクレーマーのような対応が難しい方がいる場合もあります。
どのような患者様に対しても、薬剤師はその職務を全うすることが求められます。
しかし、様々な患者に対応することが強いストレスとなる場合、仕事の仕方を検討した方がいいかもしれません。
不本意な異動がある・多い
「不本意な異動」もやめたいと思う一因になり得るでしょう。
最近は転居を伴う異動の有無は本人の希望で選択できるケースも多いですし、配属の店舗は自宅から通勤〇〇分以内などの規定があることもあります。
しかし、異動がすべて希望通りにいくわけではありません。
「総合病院前で勉強したかったが、クリニックの門前薬局に異動になった」というケースや「異動自体が頻繁にある」ケースなど、社内の規定に反しているわけではなく、受け入れざるを得ないケースもあります。
しかし、自分自身の働く意欲が低下する異動がある場合には、仕事を辞めることや転職を考えることもあるでしょう。
これ以上の出世が見込めない
「これ以上の出世が見込めない」ケースもやめたいと思う人が多いでしょう。
これは中小規模の調剤薬局に勤める管理薬剤師などで起こりやすいケースです。
管理薬剤師の上に、エリアマネージャーという立場があることも多いですが、数店舗に一人という配置が一般的です。
自分に回ってくるタイミングがないのではと思う場合には、先々を考え、仕事を辞めることを考えることもあるでしょう。
薬局の薬剤師を辞めたいと思ったら転職すべき?
薬局薬剤師を辞めたいと思った場合、すぐに転職をすべきなのでしょうか。
「辞めた後で後悔することはないのか」、「転職活動がうまくいくのか」など、いざ辞めたいと思っても、様々な心配ごとが出てきて決断できないと思う方もいるかもしれません。
ここでは、薬局薬剤師の転職について、気になる疑問にお答えします。
自分の都合で退職し転職は可能?
転職はどのような理由で退職していても、可能です。
転職活動では、ほぼ間違いなく転職理由を聞かれます。
「人間関係でうまくいかなかった」という場合や、「仕事内容に不満があった」という場合には、「上司に異動を打診したが叶わなかった」と自ら問題を解消しようと努めたことを伝えることで、理解されやすいでしょう。
転職先は同じような理由で辞めてしまわないかということも考慮しています。
転職理由に納得できる理由があれば、特に問題となることはないでしょう。
転職後すぐの転職はキャリアに傷がつく?
「転職後すぐの転職」も不可能ではありませんが、理由次第とも言えるかもしれません。
もともと薬剤師は転職回数が多い職種と言われるため、2回目の転職・3回目の転職という方も少なくありません。
特に、結婚・出産・家族の都合などでの転職は、やむを得ない事情と考えられ気にされることはないでしょう。
しかし、「人間関係がうまくいかなかった」と短期間での転職を繰り返すのは、トラブルをおこしやすい人と思われる可能性があったり、「やりたいことがある」という理由だと飽きっぽい人と思われるかもしれません。
求人募集を出す会社側は、なるべく長くしっかりと働ける人を採用したいと考えています。
短期間・複数回の転職履歴はマイナスな印象を与える可能性があることは理解しておきましょう。
薬剤師自体を辞めたいと感じたときの対処法
薬剤師として働く中で、仕事を辞めたいという思いが、「薬剤師自体」を辞めたいという思いにつながることもあるかもしれません。
しかし「薬剤師を辞めたい」と思ってすぐに実行してしまうと、あとで後悔することになりかねません。
一旦、次のような対処法を試してみてはいかがでしょうか。
信頼できる薬剤師の先輩や同僚に相談する
薬剤師を辞めたいと感じた場合、まずは信頼できる薬剤師の先輩や同僚に相談してみましょう。
一人で考えすぎないことが大切で、人に話すことで自分の考えが整理できることもあります。
また、先輩や同僚は同じような悩みを経験している可能性もあります。
どのように乗り越えたのか、経験談を聞くことは、自分の問題解消のヒントになるかもしれません。
一度休暇を取得してみる
薬剤師を辞めたいと感じた場合、一度休暇を取得してみることも良いでしょう。
一日の中で仕事が占める割合は非常に高いため、仕事のことが常に頭から離れず、緊張状態が続いてしまうこともあるかもしれません。
一度仕事から離れて、辞めたらどのような感覚になるのか、試してみてはいかがでしょうか。
将来を考え本当に辞めても後悔しないか考える
薬剤師を辞めたいと感じた場合、将来も見据えたうえで、辞めても後悔しないのかを考えておいた方が良いでしょう。
例えば、薬剤師を辞めると今の給与を維持することができないかもしれませんし、これまで蓄えてきた知識・経験を生かすことができないかもしれません。
薬剤師を続けるメリットはないのか、将来どのような自分でいたいのかを考えてみてはいかがでしょうか。
現職で不満を解消できないか検討してみる
薬剤師を辞めたいと感じた場合、現職のまま今の不満を解消する方法がないのか、検討しましょう。
例えば、職場内での人間関係がうまくいかないことが不満なのであれば、異動を希望することはできないでしょうか。
仕事の内容に関する不満についても同様に、配属店舗が変わると仕事内容が変化するかもしれませんね。
薬剤師を辞める・仕事を辞めることは大きな決断であり、大きな生活の変化を伴ううえに確実にうまくいく保証もありません。
自分の不満を現職のままで解消する方法があれば、まずはそちらを優先してみてはいかがでしょうか。
別の職場に転職する
薬剤師を辞めたいと感じた場合、まずは薬剤師のままで別の職場に転職してみるのはいかがでしょうか。
実は、薬剤師の免許を持ちながら、調剤業務に関わらない薬剤師は多くいます。
調剤薬局での業務が嫌になってしまったのであれば、企業や保健所などへの転職はいかがでしょうか。
薬剤師の資格や知識を生かせる職場は薬局だけではありません。
薬剤師であることは、ひとつの強みです。
その強みを生かした転職をする方が、その後の仕事もスムーズにいくのではないでしょうか。
薬局を辞めたいと感じている薬剤師が転職する際のポイント
薬局を辞めたいと感じている薬剤師が転職をする際は、いくつかのポイントをおさえることをおすすめします。
その後の転職活動をスムーズに進め、よりよい職場に出会うためにも次のポイントを確認してみましょう。
転職理由を明確に
転職をする際のポイントのひとつが、「転職理由がはっきりしている」ことです。
転職理由をきちんと自分の言葉で話せることは重要です。
理由を取り繕う必要はありません。
人間関係が原因でも、モチベーションが維持できなかったことが原因でも、理由はひとそれぞれです。
しかし、転職の面接などではなぜ転職先を希望したのかという理由もしっかり付け加えることが必要です。
「人間関係でうまくいかなかったから、転職を希望した」というのは、またうまくいかなかったら辞めるのではないかと思われかねません。
「店舗数が多いので自分に合った店舗があると考えた」、「店舗間の交流が多く、薬局が閉鎖的でない印象を受けた」など、転職希望先は自分が辞めた理由を解消できることを伝えられれば、マイナスな印象を与えることは少ないでしょう。
希望する条件に優先順位をつける
転職をする際のポイントのひとつが、「希望する条件に優先順位をつける」ことです。
薬剤師の転職活動においては、いまだ多くの求人情報があり、それぞれを見比べてより自分の希望に合ったものを選択するという形になることが多いでしょう。
また、新卒での就職活動と違い、転職はこれまでの職場と比べて選ぶという形になります。
年収を今より下げたくない、今までより休みを増やしたいなどと希望の条件は増えがちになるため、完全に自分の理想の求人情報があるかというと、そうではないことも多いです。
辞めたい・転職したいという気持ちを優先するのであれば、どこまでを受け入れて妥協するのか、条件に優先順位をつけて転職活動をすることが、スムーズな転職活動になる秘訣と言えるでしょう。
職場見学をし、職場の雰囲気などを知る
転職をする際のポイントのひとつが、「職場見学をし、職場の雰囲気などを知る」ことです。
求人情報では、「アットホームな職場です」「残業はほぼありません」など良い印象を感じる情報が掲載されていることが多くあります。
しかし、実際の職場では仕事に追われて良い雰囲気を感じられなかったり、残業をなくすためにお昼休憩を削って仕事をしていたり、実態とのずれがあるケースも少なくありません。
転職後に、イメージと違ったということを最小限にするには、実際に行って自分の目で見てみるということに尽きるでしょう。
薬剤師特化型の転職エージェントを活用する
転職をする際のポイントのひとつが、「薬剤師特化型の転職エージェントを活用する」ことです。
転職活動は一人でももちろん可能ですが、情報を集めるだけでも想像以上に時間や手間がかかり、負担となりがちです。
薬剤師特化型の転職エージェントに登録すると、自分の希望に合った情報を提供してくれるだけでなく、「非公開求人」という形でエージェント登録者しか確認できない求人情報も紹介してもらえるため、より理想の転職先を見つけられる可能性が高まります。
また、転職エージェントには専門のアドバイザーがついてくれるケースが多いため、プロの目から見てアドバイスをくれたり、履歴書の添削をしてくれたり、サポートを受けることができます。
初めての転職活動など、一人でどう進めていいのか悩ましい方は特にプロの力を借りることをおすすめします。
薬剤師が転職を考え始めたら
薬剤師が転職を考え始めたら、まずは前述したとおり「薬剤師特化型の転職エージェント」に相談してみることをおすすめします。
転職しようと決意するまで至っていなくても、相談してみることも可能なので自分の悩みを解消する方法のひとつが「転職」だと思うのであれば、転職活動はどのようなものなのか、自分にはどのような選択肢があるのかという話を聞くだけでも、転職するかどうかの判断材料が増えるでしょう。
また、転職エージェントのアドバイザーは様々な転職希望者を見ており、薬剤師の業界事情、職場事情に精通しています。
プロの目から、自分では気づけなかった強みを見出してくれ、それに伴う新しい選択肢が見えてくるかもしれません。
自分の大切な将来のことだからこそ、プロの力も借りて、より幅広い視野で検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では薬局薬剤師が辞めたいと思う理由をご紹介しました。
どのような職場にもあるような理由から、薬剤師ならではの理由まで、様々な理由があります。
薬剤師は資格職であり、だれもが簡単になれる職業ではありません。
また、調剤薬局以外にも「薬剤師」であることを生かして働く手段は多くあります。
薬剤師自体を辞めるということもひとつの選択肢ではありますが、まずは薬剤師としての違う道を探してみてはいかがでしょうか。
薬剤師が転職を考える際には薬剤師特化型の転職エージェントの活用をおすすめします。
お悩みの方は一度利用してみてはいかがでしょうか。
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