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薬剤師が病院から病院に転職する際の注意点やポイントを解説!

目次

病院から病院へ転職する際の注意点やポイント

病院薬剤師は、医療の最前線で活躍し経験を積むのに適した職場です。

さらなる経験の積み重ねを目指して、専門性を生かせる病院、または症例の多い病院への転職を考えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、薬剤師が病院から病院へ転職する際の注意点やポイントをご紹介します。 

※病院内の薬局は薬剤部、薬剤科、院内薬局など呼び方がありますが、本記事では薬剤部と呼びます。

転職の目的を明確にする

まずは転職の目的を明確にしましょう。
自分が何を目的に病院から病院に移るのか、目的をもって転職しなくてはなりません。

スキルアップ、新たな業務の追求、給料アップ、通勤時間短縮など目的は人それぞれだと思います。

目的を持たずに転職すると、こんなはずではなかったと転職後に後悔する場合もあります。

しっかりと転職の目的を明確にしましょう。

転職する病院の情報は入念に調べる

転職する病院の情報は非常に重要です。

勤務時間、残業の有無、業務内容、休日数、病床数、薬剤師数、福利厚生…等々チェックすべき様々な項目があります。

求人情報や病院ホームページのチェックは最低限必要ですが、可能であれば目で見た情報を手に入れるため職場見学に行きましょう。

文で見る情報に加えて、目で見た情報+雰囲気は転職の際の有力な参考になると思います。

職場見学が出来るかどうか問い合わせてみるとよいでしょう。

残業代や夜勤手当を含めた年収に注意する

転職先の残業代、夜勤等手当を含めた年収をあらかじめ計算すると、現在の年収との比較ができますね。

気を付けたいのは残業代や手当は変動する収入であるため、想定よりも少なくなることもあります。

面接などの際に担当者に残業時間などの変動についてチェックしておくのが良いでしょう。

労働条件はしっかりとチェックする

労働条件は必ず細かいところまでチェックしましょう。

始業・終業時間、遅番早番、(交代制)休日出勤の有無、一人薬剤師での勤務の有無などの労働条件は書面をかわし、納得して労働契約を結ぶことが重要です。

書面であれば条件の確認もしっかりできますし、もしも自分に合わない条件がある時は契約前に交渉で解決できるかもしれません。

自分にあった病院を選ぶ

後ほど説明しますが、急性期病院と慢性期病院、また専門病院で求められるスピード、業務内容、専門性が大きく違ってきます。

慢性期病院から急性期病院に転職した場合、今までと違い忙しすぎて落ち着かないといった場合もあるかもしれません。

また、病院薬剤師は人手が足りず、未経験でも入職してくれるだけで喜ばれる場合と即戦力を期待して採用される場合があります。

職場に入ってみないと実際分からないことかもしれませんが、念のため、自分のレベルに合わせて教えてもらえる環境なのか確認をしておきましょう。

それと、入職後どれくらいの期間でどのような業務が出来るようになってほしいと薬剤部が考えているのかも確認しておきたいですね。

職務経歴書から魅力を感じられるように書く

職務経歴書の書き方を工夫して、アピールポイントを絞り、分かりやすくまとめましょう。

専門性やスキルをアピールするエピソードは、文章で具体的に伝えることをおすすめします。

面接対策をしっかり行う

転職には面接が欠かせません。そのため面接対策は必須です。

自分が病院に貢献できるポイント、病院が欲しいと思える自分の強みなどを研究し、具体的に面接官にアピールすることが重要です。

履歴書と職務経歴書に沿って面接が行われることも多いので、質問されそうなことや、話すことをある程度想定しておくとよいでしょう。

薬剤師が病院から病院に転職する際の難易度

大学病院や、400床前後の大規模病院では業務の専門性が高く、ほとんどが新卒での採用となるようです。

また大規模病院の中途採用では、同じような大規模病院経験者なら入れる可能性はあるといった具合で、転職は難しいと言わざるを得ません。

中小規模病院への転職は、求人数も比較的あり大規模病院への転職に比べれば十分可能でしょう。

ただし、求人があるのと、それが自分が入りたい病院かどうかは異なりますので注意しましょう。

病院による薬剤師の働き方の特徴

病院はいくつかに分類できます。
自分に合った病院を探すため、病院の性質を知る必要があります。

急性期病院

急性期病院の「急性期」とは病気が発症した状態をいい、発症後おおよそ14日間以内が急性期の目安とされているそうです。

急性期病院とは、急性疾患または重症患者の治療を24時間体制で行なう病院のことを指すそうです。*1

そのため、救急外来、集中治療室、新生児集中治療室などを備えています。

ここでの薬剤師は一般的な薬剤師業務(慢性期病院の項目を参照)に加え、救急医療に関する業務もあったり、抗がん剤を含む注射剤ミキシング、院内製剤の作成、チーム医療の薬剤師としてカンファレンスへの参加などがあり、広く業務をこなします。

急性期病院では上記の性質のため、夜勤などがある事が多いです。
また、多くの薬学的・医学的知識を要求され、肉体的・精神的な強さを求められます。

(*1 多根総合病院ホームページ https://tane.or.jp/archives/3994 )

慢性期病院

慢性期病院では症状の安定した患者のケアが中心で、急を要する場合や難しい症例を扱う機会は急性期病院ほど多くありません。

薬剤師は一般的な薬剤師業務、つまり、調剤、病棟業務、医薬品管理、DI業務、入院時の持参薬鑑別、退院時服薬指導などを担当します。

夜勤や当直勤務がない病院も多く、比較的落ち着いて働ける傾向があるようです。

じっくりと患者さんの治療に携わりたい方、ワークライフバランスを重視する方に向いているかと思います。

ケアミックス病院

ケアミックス病院とは、複数の病床機能を併せ持ち、急性期医療と慢性期医療の両方に対応している病院をいいます*2

急性期病院は、国立病院や大学病院、高度救命救急センターを担う病院がほとんどで、医療レベルは高く、救急搬送や急変対応など多忙を極めます。

一方ケアミックス病院は、一次、二次救急を担う中小規模の病院が大多数を占めているようです。

一般病床を有するが、急性期病院ほど多忙を極めず、かといって慢性期病院ほど落ち着いた環境ではありません。*3

ケアミックス病院は急性期病院と慢性期病院の中間に位置した環境だと言えるでしょう。

※救急医療の仕組み*4

  • 初期(一次)救急医療機関

主に入院治療の必要がなく、帰宅可能な患者さんへの対応機関 

  • 二次救急医療機関

主に入院治療を必要とする重症患者さんへの対応機関。 

  • 三次救急医療機関

主に二次救急医療機関では対応できない高度処置が必要な重篤患者さんへの対応機関。

(*2 加治木温泉病院HP https://www.kjko-hp.com/system/caremix/ )
(*3 医療ワーカー https://iryouworker.com/column/tenshoku/61/ )
(*4 日本赤十字社 伊勢赤十字病院HP http://www.ise.jrc.or.jp/picup/emergency.html )

専門病院

精神神経科や整形外科といったように、特定の分野に特化した病院です。

病院にはよりますが、基本的に慢性期病院よりは忙しいものの、基本的に夜勤や日曜勤務が無いようです。

さらに、専門に特化した知識を高める事が出来るのも利点です。

薬剤師のよくある転職理由

ここではよくある転職理由を3つ紹介したいと思います。

ワークライフバランス

総合病院や大学病院など大きな病院では業務量が非常に多く、ワークライフバランスが取りづらいという意見をよく聞きます。 

特に400床前後の大規模病院では救急受け入れがあり、夜勤、残業の業務に加え、日々の業務に必要な知識を得るための勉強会にも参加を必要とされる場合があり、強靭な体力と精神力が要求されます。 

よって、一定期間働いて学んだ後は、落ち着いた環境の病院に移ってワークライフバランスを整えるという方が多いようです。

人間関係

大きな病院では薬剤師の人数も多く、薬剤師内で派閥が存在するケースもあるようです。

薬剤師の数に応じて役職も多く存在する場合があり、意見があわない上司と働き続けるのは非常にストレスがたまります。

そのストレスは精神的疲労はもちろん、肉体的疲労につながったり、調剤ミスや調剤事故にもつながる可能性があります。

人数が多いからこそ、そりの合わない人と関わらなくても良い場合があるのですが、薬剤部はぎりぎりの人数で業務していることが多く、どうしても皆と関わらなくてはいけないようです。

転勤

国家公務員薬剤師で国立病院に勤務する薬剤師は転勤があります

結婚や、お子さんが生まれて就学後のお子さんに引っ越しさせるのはかわいそう、といった事例があります。

また、介護の必要が生じてしまい家から近い職場が良いといった場合に転職を希望する事例もあります。

転職に失敗するケースを紹介

ここでは病院から病院に転職した際に失敗してしまうケースを紹介します。

自分のやりたいことができない

急性期病院は扱う医薬品の数が多く、最先端の医療を学べること、専門性を身につけられることなどが魅力です。

一方の慢性期病院では、じっくりと一人一人の患者に向きあって治療に関わることができます。

チーム医療に関しては、どうやら、急性期病院以外の病院ではそこまで積極的な多職種連携を行わない病院もあるようです。
悲しい事ですが、形だけのチーム医療と言ったところでしょうか。

「最先端の医療に触れたい」「チーム医療の一員として救急医療の知識を必要とする薬剤師業務につきたい」という方が慢性期の病院に転職をしてしまうと、慢性期病院では最先端医療の件数は急性期病院に比べて少ないことも多く、また救急医療も薬剤師が関わらないこともあります。
結果として、自分のしたいことができず、得たいスキルも得られないとなるのです。

さらには、病院の方針で、外来患者と入院患者の受け入れ比重が変わります。

また、院外処方が多いのか院内処方が多いのかによっても業務が変わってきます。

求人票に書いてある業務内容だけで判断をしてしまわずに、外来と入院の受け入れ割合、院内外処方せん割合、外来化学療法の薬剤師関与の有無、緩和ケアや終末期医療の薬剤師関与の有無なども確認できるとよいと思います。

そして、病院の規模によって薬剤師の業務も変わります

大規模な病院では事故防止や業務の効率化のためのマニュアル化が行われ、薬剤師業務に専念できる場合も少なくありません。

一方、中小規模の病院では、業務のマニュアル化が最小限しかなく、本来の薬剤師業務以外の仕事も担当する場合があります。

転職しても忙しいまま

「ライフワークバランスを整えるために転職したのに、転職先でも残業続きで自分や家族との時間が全く取れない」

そのような結果になっては困りますよね。

一般的に大規模病院から中小規模病院に行くと処方せん枚数や病床数が減ります。

また、夜勤もなくなることが多く、忙しさが緩和されるイメージがあります。

しかし、病院薬剤師の忙しさを決める要因は「薬剤師が必要業務を行って取れる加算(以下、「薬剤師加算」と記載します)の算定の有無」「電子カルテ(薬歴)導入の有無」「全自動分包機の有無」「薬剤事務の有無」があります。

行く先の薬剤師が不足していれば、規模の小さい病院に移っても業務量は多いままかもしれません。

さらに規模が小さくなればなるほど一人当たりの負担が増え、誰かが休むと業務が自分にも割り振られ、負担となります。

また、電子カルテの導入には注意が必要です。

中小規模病院では経済的理由で電子カルテを導入できていないケースがあります。電子カルテがないとすべて手で薬歴を書かなければならず、処方せん枚数が少なくても仕事が終わらない状況が生じることもあります。

手書きカルテでも、薬剤師加算を算定していないため、薬剤師が薬歴を記入しない病院もあるようですが、算定で病院の収入を増やすために今後減るかもしれません。

そのような病院でも処方ミスがないか病名を見てカルテをチェックするので、結局患者数が多いと大変です。

そして、一包化処方の患者の人数に対して、全自動分包機の有無も業務量に影響が出てきます。

さらには、薬局事務の方がいると、薬剤師以外が出来る業務を事務の方がしてくれるので、業務量が減り、薬剤師業務に集中できる場合が多々あります。

人間関係に困る

人間関係なくして職場の話は出来ません。どこの職場でも必ず人と接点を持ちます。

一人薬剤師であったとしても必ず病院には医師がいるので接点を持ちます。

極端な例ですが、転職先で新しく入ってきた人に必ずイジワルをする人もいるようです。

これはイジワルで片づけることができない問題だと思いますが、薬剤師の世界だけではありません。

転職する際は薬剤師専門の転職サイトを利用するべき

病院から病院への転職は薬剤師の専門転職エージェントを利用するのがおすすめです。

転職エージェントを利用すると一人一人に専門のコンサルタントがつきます。

コンサルタントに、自分がどのような病院で働きたいか、どんな目標を持っているのかなどなどを相談すると、エージェントにしかない非公開求人を含めて適する病院をピックアップしてくれます。

そもそも転職の目的が明確でない場合も、相談しながら探すことができます。

また、履歴書の書き方、面接時間の調整、言いにくい条件の交渉もしてくれます。

さらに、エージェントは転職した顧客の相談にも乗ってくれることが多く、入職後の情報を得ることもあるようです。

そのため、公表された情報のみならず、実際に「入りたい!」と思っている病院で勤務している人からの情報も持っていることがあります。

まとめ

  • 薬剤師が病院から病院へ転職する際は転職の目的を明確にしよう
  • 病院ごとに業務が異なり薬剤師が病院から病院へ転職した際にやりたいことができない場合もある
  • 薬剤師が病院から病院へ転職する際は薬剤師専門の転職サイトを利用するべき

病院から病院への転職は目標を決めて、労働条件などにも注意し情報を収集することが重要です。

これは薬剤師に限らず、転職の際は重要になる事項です。

また、病院は種類があり、種類に合った薬剤師の働き方を考慮することが必要です。

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この記事を書いた人

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