薬剤師の給料については、一般的には高年収なイメージがありますが、実際には就業先や地域によって大きく異なります。
本記事では、薬剤師の給料が安いと言われる理由や、一般的な薬剤師の生活レベルについて詳しくご紹介します。
薬剤師の年収についての一般的な認識
景気に左右されにくいといわれる医療系専門職の薬剤師の年収ですが、一般的な認識はどういうものでしょうか。
一般的には高年収なイメージ
薬剤師の年収については、一般的には高年収なイメージがあります。
しかし、これは全ての薬剤師に当てはまるわけではありません。
薬剤師の年収は、勤務地、雇用形態、所属する組織などの要素によっても左右されます。
ただし、薬剤師の専門知識やスキルは需要があり、それに見合った報酬が期待できる職業と言えます。
「薬剤師は年収低い」はあながち嘘ではない
しかし一方で「薬剤師は年収が低い」と言われることもあり、あながち嘘というわけでもありません。
以下でその理由を探っていきます。
薬剤師の給料が安いと言われる理由
薬剤師の給料が安いと言われる理由はいくつかあります。
就業先によって変動が激しいため
まず一つ目は、就業先によって変動が激しいことです。
薬剤師の年収は勤務地や雇用形態、所属する組織などの要素によって左右されます。
大手製薬会社や研究機関などは高年収が期待できますが、病院や個人経営の調剤薬局は給与水準が低い傾向にあります。
例えば、都市部で働く薬剤師の方が田舎の地域で働く薬剤師よりも年収が高い傾向があります。
また、正社員としての雇用よりもパートタイムや派遣での雇用の場合、年収が低くなる傾向があります。
資格取得にかかる学費に見合わないため
二つ目の理由は、資格取得にかかる学費に対して給料が見合わないことです。
薬剤師の資格を取得するためには、大学や専門学校での学費がかかりますが、その負担に見合うだけの給料がもらえないこともあります。
私立大学の薬学部に入学した場合、6年分の平均的な学費は約1,100万円です。
さらに、6年分の生活費や諸経費を加えると2,000万円を超えてしまいます。
これだけの自己投資をしているわりには、年収が低いと感じることもあるかもしれません。
しかし、薬剤師の平均年収は580.5万円であり、生涯賃金を計算してみると約2億~2億3,000万円になります。
この数字を見ると、薬学部以外の4年制大学卒業者に比べて薬剤師の年収が低いとは言い難いです。
参考:文部科学省 令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について
重い責任に見合わないため
薬剤師の仕事は重い責任を伴いますが、その責任に見合った給料がもらえないと感じる薬剤師は多いです。
投薬のミスは患者さんの健康状態などに影響し、大きな調剤過誤は法的責任を引き起こす可能性もあるからです。
初任給は高めだが伸びしろが少ないため
薬剤師の職場は、昇給が難しい環境とされています。
初任給は高めですが、その後の給与の伸びしろが少ないため、長期的に見ると給料が安いと感じることがあります。
病院や調剤薬局では役職手当が付くポジションが少なく、昇進の機会が限られているため、30代以上になると年収の上昇が鈍化する傾向があります。
また、ドラッグストアも会社が給与を抑える傾向があり、昇給が難しくなることがあります。
薬学部の進路で高年収の仕事とは?
薬学部の進路といえば薬剤師が代表的ですが、一口に薬剤師といっても就業先によって年収は大きく変わります。
以下で、薬学部の進路の中で高年収の仕事を紹介します。
製薬企業
一つ目は製薬企業での就職です。
製薬企業では、新薬の開発や臨床試験などの研究開発に携わることができます。
初任給は他の薬剤師の職場と変わりはありませんが、経験を積めば高い昇給が期待できます。
管理薬剤師
二つ目の進路は、管理薬剤師としてのキャリアです。
管理薬剤師とは、病院や調剤薬局などで薬剤師のチームを統括する役割を担います。
管理職としての責任が大きく、その分それに見合った高い給与が期待できます。
また、管理薬剤師は、薬品の品質管理や行政への対応などを担当します。
薬品を取り扱う場所では管理薬剤師の常駐が必要とされており、薬の調剤業務を行わないことも特徴です。
企業における薬剤の最高責任者としての役割を果たすため、給与の他に土日休みや長期休暇などの待遇が優遇される傾向があります。
薬剤師が少ない地方で就職する
薬剤師が少ない地方で就職することは高年収を得る方法の一つです。
都会では薬剤師が多く、給料を高く設定しなくても集まりますが、地方では薬剤師の資格を持っている人が少なく、高い給料を提供しないと人材確保が難しい状況です。
そのため、地方では薬剤師不足が深刻で、需要と供給のバランスが崩れ、給与が高くなる傾向があります。
一般的な薬剤師の生活レベルはどれくらい?
薬剤師の生活レベルは、住んでいる地域や固定費によって異なります。
一般的には、地方においては薬剤師が不足しているため、平均よりも高年収である傾向があります。
さらに、地方では家賃や物価が都心に比べて安い場合が多いため、薬剤師が高い生活レベルを維持したい場合、都心よりも地方が向いていると言えます。
ただし、車が必須の地域などは都心では不要な固定費がかかることもあるため、注意が必要です。
まとめ
薬剤師の給料については、一般的には高年収なイメージがありますが、実際には就業先や地域によって大きく異なります。
イメージだけで職場を決めずに、自分が納得のいく給与額であるかを確認した上で職場を選ぶことをおすすめします。
今の給料に納得がいかない方は、ぜひセルワーク薬剤師までご相談ください。
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