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2025年問題が医療に及ぼす影響とは?薬剤師への影響も解説!

目次

2025年問題が医療に及ぼす影響

2025年問題が医療に及ぼす影響はどれほどのものでしょうか?

2025年問題とは、日本での超高齢社会が引き起こす問題です。この記事ではその2025年問題はどのようなものなのかを解説していきます。

病院数と医師数のバランス

少子高齢化による労働力不足は、医師や医院にも影響を与えます。

開業医は定年がありませんが、それでも高齢を理由に現役を退く医師はいます。
医師の退職で医院の跡継ぎがいなければ、廃業する医院も今後増える可能性があります。

2025年には65歳以上の高齢者が3600万人に達する見通しで、全人口の30%が高齢者になると予想されています。
そして、今後高齢者の割合はしばらく同じか、増えると予想され、15-64歳の人口(生産年齢人口:働き手になれる人口の割合)は減ると予想されています。
このことは高齢者に対して医療(医師)が不足する可能性を示唆しています。

(内閣府Hp 数値参考は「そもそも2025年問題とは」で使うグラフより参照
 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/gaiyou/s1_1.html

医療や介護分野へのニーズは高まる

生産年齢人口が減り、高齢者が増える2025年問題は介護や医療の必要性が高まります。

一昔前のイメージに比べて元気に過ごす高齢者が増えている一方で、高齢者の人口が増えるほど、体力や免疫力が低下したり、寝たきりになってしまう高齢者が増える可能性が上がります。
加えて、認知症患者数も今までよりも増えることが想定されています。

現在、介護士や看護師等の医療従事者における過酷な労働の実態も問題になっています。
2025年問題に対応するためには医療従事者の労働環境の改善・見直しも課題となります。

社会保障費が増大する

以上の問題から2025年問題によって医療介護保険費をはじめとする社会保障費の増大が考えられます。

高齢者の増加で医療や介護の需要が高まるためです。後期高齢者の医療費自己負担は現在原則1割、残りは社会保障費で補われ、社会保障費は我々が支払っている税金が財源です。

(参考 グラフは内閣府Hpより
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/gaiyou/s1_1.html

このグラフでは、主に社会保障を支えている15-64歳の生産年齢人口が将来、少なくなると予想しています。そうすると、現在の社会保障制度では生産年齢人口の人達の負担が大きくなりすぎてしまうといった問題が出てきます。

厚生労働省が公表した「令和3年度 医療費の動向」によると、令和3年度の国民1人あたりが必要とした医療費の平均は約35.2万円でした。
75歳未満が年約23.5万円に対して75歳以上は年約93.9万円必要であり、差は約70万円でした。

現在でも社会保障費増加による負担の不公平性が問題視されており、いずれ何らかの社会保障制度改革が必要になって来るでしょう。
同様に介護サービスや制度についても同じことが言え、高齢者が増えればそれだけ介護サービスの需要が高まるため、介護保険制度に必要な財源の確保が課題となってくるでしょう。

(資料参考 厚生労働省令和3年度 医療費の動向 
https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/21/dl/iryouhi_data.pdf

そもそも2025年問題とは

今まで出てきた2025年問題とは具体的に何が原因で、どのような問題が起こると考えられているのでしょうか?

2025年問題とは、戦後の第一次ベビーブーム(1947〜1949年)に生まれた「団塊の世代」と呼ばれる人々が2025年に75歳を迎えることです。
2025年まであと2年程度であり、以前から指摘されていた日本の少子高齢化問題や高齢社会の問題は大きく解決されてる様子が見られず、深刻の一途をたどっています。
2025年問題は医療・介護を含めた社会保障を根底から変えることになるかもしれない、国民の生活にも直結する問題です。

2025年には75歳以上の後期高齢者人口が、2180万人になると予測されています。
ここに、65〜74歳の前期高齢者人口1497万人を足すと3677万人となり、日本の総人口1億2,254万人の約30%がいわゆる「高齢者」に該当します。
現役世代2人で1人の高齢者を支えることになると見込まれているのです。

※高齢化率=65歳以上人口/総人口×100(%)

(参考 グラフは内閣府Hpより
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/gaiyou/s1_1.html

2025年問題によって生じる問題の中で、最も深刻と言われているのが労働力の不足です。

パーソル総合研究所が行った「労働市場の未来推計 2030」によると、2025年にはおよそ505万人の労働人口が不足すると予測されています。2030年にはさらに644万人の労働力不足が推計されており、特に医療・福祉とサービス業における人材不足予測は深刻です。

高齢化率が増していく一方、出生率は減少を続けており、人的資源不足は現在も、そして今後さらに深刻なものになると考えられています。
社会保障が今の制度のままでは、社会保障制度を維持できなくなることも予想され、保証を受ける高齢者・支える現役世代とのバランスが明らかに不均等です。

事業承継できずに廃業する中小企業の数が増えると予測されていることも、2025年問題の1つです。
経済産業省と中小企業庁が出した資料によると、中小企業・小規模事業者の平均引退年齢である70歳を超える経営者の数が約245万人になると予測されています。

そのうち後継者が定まらないことで倒産・廃業に陥るケースは、127万社で日本企業の約1/3を占めると推測されています。この状況が改善されないまま廃業する中小企業が増え続ければ、2025年までに累計で650万人の雇用喪失、および約22兆円のGDP減少といった経済損失が予測されています。

また、会社全体が高齢化することで、会社の後継者不在が続き廃業に追い込まれるケースも少なくありません。これまで日本経済を支えてきた技術力やノウハウが失われる恐れも指摘されています。

数値参考マイナビ看護師 
https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/workstyle/20220803-2152090/

2025年問題に対する政府が行う対策

2025年問題は国(政府など)と国民が対策を講じなくてはなりません。

政府が行う対策にはどのようなものがあるでしょうか?

地域包括ケアシステムの構築

厚生労働省は2025年問題に対して地域包括ケアシステムの構築を推進しています。

地域包括ケアシステムは、介護が必要な状態となっても、人生の最後まで住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることを目的とした住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体となって(具体的には地域全体で連携した医療・介護サービスの提供、在宅医療・介護の推進、日常的な高齢者の見守り活動など)提供されるシステムのことです。

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に構築の努力が進められていますが、今後、認知症患者の増加も見込まれることから、認知症患者の地域での生活を支えるためにも地域包括ケアシステムの構築が重要です。
高齢化の進展状況には大きな地域差が生じており、地域包括ケアシステムは市町村や都道府県が地域の特性に応じて作り上げる必要があります。

公費負担の見直し

政府は2019年9月に、全世代型社会保障検討会議を設置し、人生100年時代の到来を見据え、お年寄りだけではなく、子供たち、子育て世代、現役世代まで広く安心出来るように、社会保障全般にわたる持続可能な改革を検討しました。

例としてこの会議で、一定所得以上の方の後期高齢者の医療費について窓口負担の割合を2割に引き上げた他、少子化対策について不妊治療の保険適応拡大などが決定しています。

介護分野の人材確保

2025年には約 30 万人の介護人材が不足するとの見通しが示されています。

不足が見込まれる 30 万人の介護人材を確保していくためには介護労働環境・処遇の改善、資質の向上などの取組を進めることが重要であると結論されています。

さらに新たな介護技術や介護ロボット等の支援機器の開発・導入、人材の働き方の改革などの多様なイノベーションも踏まえた介護人材の需要の在り方についても検討を行うべきであるとされています。

(参考:厚生労働省「2025 年に向けた介護人材の確保」 
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000075800_1.pdf

2025年問題に対し企業が行う対策

2025年問題は上記の通り企業にも大きな影響を与えるため、企業に関連する対策も必要と考えられます。

企業に関連する対策にはどのようなものがあるでしょうか?

ダイバーシティーを推進し、多様な人材を獲得する

ダイバーシティ(Diversity)とは、直訳で「多様性」を意味します。

人種・年齢・性別・価値観などさまざまな違いを持った人々が共存している状態を示します。

現在仕事をしている60歳以上の36.7%が「働けるうちはいつまでも」働きたいと考えており、「70歳くらいまで、またはそれ以上働きたい」を合わせると87%が高齢になっても働きたいと考えています。

将来の労働力不足を考えると、今後、高齢者になっても就業意欲のある人材は無理なく採用する社会になることが望まれます。

外国人の受け入れによる人材活用も、労働力不足問題解決策案と考えられます。

(数値参考 高齢期の暮らしの動向 令和4年版高齢社会白書:
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/pdf/1s2s_01.pdf)
(NECソリューションイノベーターより引用 ダイバーシティー:
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sp/contents/column/20220715_diversity.html

離職率を下げて人材を確保する

新しい人材を確保し育成するには時間もお金もかかります。

なので、すでに働いているスタッフが離職しないように工夫をし、優秀な人材を育て、育った人材が新たな人材を育てることが理想です。

労働者の離職理由は、出産や育児、介護などがあります。このような際にも仕事を続けることができるシステム、もしくは一度離職しても同じ職場に再度雇用されるシステムがより進むと問題解決の糸口になります。

職場環境の改善はもちろん、勤務体系の常識を取りはらうことで、離職率を下げる効果が出る可能性があります。

2025年問題に向けて地域・個人ができること

2025年問題に対しては国だけでなく私たち一人ひとりが意識することも重要です。

個人としてできることに地域の高齢者の見守りなどがあります。

また何らかの介護プログラムに関わったり、ボランティア等の参加も推奨されます。

2025年問題による薬剤師の働き方の変化

2025年問題に向けて薬剤師の働き方も変化が訪れると思われます。どのような変化が考えられるのか一例を見てみましょう。

薬局の役割の変化

現在の薬局は、 様々な医療機関からの処方箋を応需する処方箋薬局やドラッグ併設型薬局がある一方で、病院や診療所の近くで特定の医療機関からの処方箋を応需する門前薬局が存在しています。

薬局においても、薬物療法に関して地域包括ケアシステムの一翼を担うことが重要であり、2025年までにすべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指しています。

薬剤師も早い時期に、従来の対物業務への責任は持ちつつ、処方内容のチェック、残薬解消、飲み合わせの確認、丁寧な服薬指導、在宅対応も通じた継続的な服薬状況・副作用等のモニタリング、それを踏まえた医師へのフィードバックや処方提案など患者が医薬分業のメリットを実感できる対人業務へとシフトすることが期待されます。

予防医療やセルフメディケーションの重要性の増大

近年、病気になってから治療するのではなく、病気にならないための予防医療(特に一次予防)が注目されています。

また自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てするセルフメディケーションに対する考え方も少しずつ浸透してきています。

薬剤師は、地域の健康相談の窓口として薬や健康について助言をする役割を持ちます。
処方箋調剤業務以外に、健康食品やOTC医薬品の販売、生活習慣に対するアドバイスなど、またセルフメディケーションでは不適切な事例には医師の診察を勧告をするなど、薬剤師としての力を発揮することが期待されています。

地域包括ケアシステムによる薬剤師の役割の変化

高齢者が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるように、地域包括ケアシステムの構築が進められています。

地域包括ケアシステムにおける薬剤師の立ち位置として、薬局やドラッグストアで働く薬剤師には地域の健康窓口として薬や健康についての相談や在宅医療を支援することが、病院薬剤師にはチーム医療のメンバーとしての活動や、薬局薬剤師との連携(薬薬連携:やくやくれんけい)における役割が期待されています。

同じ薬剤師でも普段の業務の違いからそれぞれの薬剤師の観点を生かし、職種の垣根を超えて活躍することが求められています。

在宅医療や在宅介護

薬剤師が地域包括ケアシステムで在宅患者や介護施設などで行えることは、患者の薬剤管理はもちろん、薬による併用のチェック、薬の効果の有無、健康状態の管理や多職種への情報提供、多剤耐性菌対策、医療材料の供給など様々な役割を担っています。

医療費削減への貢献という役割

増大する医療費削減のために、使用医薬品について薬剤師の観点から関わったり、日々の健康に関する助言や提案を行うこともできます。

医薬品関連では、不必要と思われる薬の減薬提案、実績のある後発医薬品の積極的使用、OTC医薬品の積極的利用、残薬問題の根本的解決などがあります。

日々の健康については、食生活や運動の推奨、健康に関する啓発運動や健康相談などがあります。

まとめ

今回は2025年問題と、問題が医療や社会に及ぼす影響についての記事でした。

また2025年問題に対処するには国・企業・個人がどのような対策を立てたらよいかについて述べました。今後問題を回避するために社会構造の変化が起これば、薬剤師をはじめとした医療職種の働き方にも変化が起こるかもしれません。

税金の負担によって成立している社会保障を国民全員が安心して持続的に受けるためには受ける人、負担する人のバランスが重要と考えられます。

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この記事を書いた人

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