転職を考えてるんだけど、業界の年収って上がっているの?
若干上がったよ。実際、「業種・地域」によって差があるから、様々な角度から薬剤師の年収について紹介していくね。
薬剤師の年収について
2019年までは順調に年収上昇の傾向でした。
しかし、2020年にコロナの影響で、外出自粛に加えて感染の恐れからくる医療機関への立ち入りを躊躇する人々が増えてきました。
その結果、薬局が在宅医療を押し進めていく形になり、2021年は回復したと考えられます。
※年収の算出方法は以下の通り。なお、年収は万円未満を四捨五入。
年収=「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」
セルワーク求人の平均年収
2022年3月度 セルワークが提供する求人票のデータをもとに独自に算出したところ、薬剤師の平均年収はおよそ463万円でした。
賃金構造基本統計調査から推測すると大幅に減少している印象を受けます。
今回の統計で扱っている案件の条件は、経験年数が不問のものやパートタイムのものなどが含まれているため、水準が低くなっています。
年収価格別分布図を見ると、ボリュームゾーンは500万円台で、平均年収463万円より37万円も高いことがわかります。
全体の給与幅としては200~800万円以上と比較的広いため、勤務先や経験、求められるスキルによっても大きな差があると見受けられます。
セルワーク求人の年収中央値
続いて、薬剤師の年収中央値をみていきましょう。
「中央値」とは、データを降順、または昇順に並べた時の中間の値のことです。
なぜわざわざ中央値も見るのかと言うと、極端に低かったり高かったりといった年収が存在していた場合もあります。
その際、平均値だけを調べてしまった時に極端な数値に影響を受けてしまい、本当に全体の真ん中を表しているとは限らないからです。
極端な値がない場合でも「平均値」「中央値」の両方を出すことは必要になります。
この年収中央値は、セルワーク薬剤師求人票が得ている中間的な年収となります。
セルワーク薬剤師求人票の年収中央値はおよそ475万円となります。
去年よりは若干落ちた印象はありますが、日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。
月給で換算すると40万円、初任給は26万円程度が相場のようで、アルバイト・パートや派遣社員では平均時給がそれぞれ2,268円となっています。
業種別で見る平均年収の特徴
2022年3月度 業種別の平均年収は「ドラックストア」の476万円で1位でした。
全体平均年収463万円と比べても13万円も高く、業界を牽引している印象です。
2位は「調剤薬局」の425万円が続きます。
昨年の489万円から考えると64万円と大幅に落ちています。
3位は「病院」の405万円でした。※医療品・OJT販売のみの業種は除く。
昨年489万円と高収入だった調剤薬局は、コロナで来客数が減り、ボーナスに影響が出たと推測できます。
ドラッグストアの薬剤師は調剤業務以外にも様々な業務を担うこと、夜間や土日にも営業する店舗が多く勤務時間が長くなりやすいことから給料水準が安定的に高いのでしょう。
都道府県別で見る薬剤師のお給料事情
ではセルワーク 薬剤師求人に掲載されている求人を元に、都道府県別で見る薬剤師のお給料事情についてみてみましょう。
都道府県別の平均年収
果たして、現在の平均年収はどのくらいなんでしょうか?
全国平均よりも高い都道府県、低い都道府県についても記載したいと思います。
※セルワークでは、求人掲載情報より都道府県別の薬剤師の平均年収を調査しております。
【平均年収トップ5(都道府県別)】
1位 鳥取県(561万円)
2位 山口県(545万円)
3位 山形県(515万円)
4位 熊本県(512万円)
5位 徳島県(510万円)
トップの3県は薬剤師全体の平均年収463万円よりも47~98万円高い水準になっています。
【平均年収ワースト3(都道府県別)】
1位 徳島県(400万円)
2位 島根県(409万円)
3位 三重県(425万円)
ワーストの3県は薬剤師全体の平均年収463万円よりも38~63万円低い水準になっています。
トップ1位 鳥取県とワースト1位 徳島県とでは平均年収の差が161万円もの開きがありました。
道府県別の平均月収
現在の平均月収はどのくらいで、全国平均よりも高い都道府県、低い都道府県は。果たしてどこなのでしょうか?
【平均月収トップ5(都道府県別)】
1位 長野県(35.6万円)
2位 岩手県(34.8万円)
3位 山口県(34.7万円)
4位 香川県(32.6万円)
5位 岐阜県(32.1万円)
トップの3県は薬剤師全体の平均月収26万円よりも6.1~9.6万円高い水準になっています。
【平均月収ワースト3(都道府県別)】
1位 長崎県(19.0万円)
2位 福岡県(22.4万円)
3位 徳島県(22.6万円)
今年始めもワーストは、去年と同じ都道府県になりましたね。
ワーストの3県は薬剤師全体の平均月収26万円よりも3.4~7.0万円低い水準になっています。
トップ1位 長野県とワースト1位 長崎県とでは平均月収の差が16.6万円もの開きがありました。
都道府県別の平均時給
現在の平均時給はどのくらいで、全国平均よりも高い都道府県、低い都道府県は。果たしてどこなのでしょうか?
【平均時給トップ5(都道府県別)】
1位 高知県(2875円)
2位 北海道県(2642円)
3位 福岡県(2641円)
4位 鹿児島県(2577円)
5位 沖縄県(2558円)
トップの3県は薬剤師全体の平均時給2268円よりも290~607円高い水準になっています。
【平均時給ワースト3(都道府県別)】
1位 徳島県(1625円)
2位 三重県(1930円)
3位 福岡県(2000円)
ワーストの3県は薬剤師全体の平均時給2268円よりも268~643円低い水準になっています。
トップ1位 高知県とワースト1位 徳島県とでは平均時給の差が1250円もの開きがありました。
平均年収トップの都道府県とワーストの都道府県の求人内容を比較すると、ある違いがあることに気がつきました。
決定的に違う点は「ドラックストア」の求人募集が多かった印象があります。
少し記事は古くなりますが、ドラックストアの店舗数が少ないのが明らかに影響していると思われます。
さらに調剤薬局では「調剤+OTC」と業務幅もあり、その分給料面で好待遇が受けれるのだと感じます。
まとめ
今回、”セルワーク 薬剤師求人”に掲載されている求人を元に都道府県別に平均年収・月収・時給について調べてきました。
正社員・アルバイトどちらの形態で働くかによってお給料事情は変わりますが、まだまだドラックストアの店舗が増えている高知県で働くと他都道府県より、高収入が見込めるという結果が見えた気がします。
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